いとこ関係に嫉妬する七夕。

七夕「ねえ、栄にとって、七夕って何?」
栄「え、弟みたいなもんやけど」
菜苗「ねえ、そこは本当に弟でいいの? 妹みたいなもの、じゃないの!?」
栄「断じて、弟や」
七夕「それは解ってるよ!! ええと、栄と菜苗はいとこだろ。だから、栄と七夕で言ったら、それは何になるの? これから京都にやってくるジョンには、なんて説明するつもりなんだ!? 日本語で理解してないと、英語で説明できないぞ?」
栄「ええと…」顎に手を当て考え込むが、あさってのほうを見やる。
菜苗「簡単にあきらめないで!! 栄くん、統さんや数学のことだったら、そんな簡単にあきらめないでしょう?」
栄「じゃあ、まあ、親戚です」
七夕「まあ、間違ってはないけど…。もっと、正確に!!」
栄「遠縁の親戚です。血はつながっていません」
七夕「栄兄ちゃんが、ものすごく、面倒そうな顔してるよお!!」
菜苗「栄くん、長くなってもいいの。ひとつひとつ確かめていきましょう?」
栄「ていうか、圭一さんだよ!! あの僕のことが大好きな圭一おじさんが、養子だからこその面倒なことに!!」
菜苗「解ってるの、そうね。全ては、私のお父さまの責任なんだわ。でも、お父さまは、どうしてもお医者さまになりたかったのよ!!」
栄「ああ、面倒くさい!!」
七夕「ごめん、栄。それは、もういいや」
菜苗「ええ、いいの!? 本当に!?」
七夕「代わりに、栄と菜苗の幼少期の話でも聞かせてくれればいい」
栄「解った。それで、手を打とうやないか。数学以外で、面倒はごめんや」
菜苗「ええ〜」
栄「菜苗。気になるなら、七夕と僕の関係性を考えておいてくれ。個人的に」
七夕「菜苗のやつ、素直だから本当に考えちゃうぜ?」
栄「まあ、それはそれで」