幼少期を振り返る栄。

栄「ええと、まず、どこから話せばいい?」
七夕「栄って、お母さまのおなかの中にいたときのこと、覚えてる人?」
栄「……」
菜苗「すごく嫌そうな顔してる!!」
七夕「じゃあ、想像でいいぜ!!」
栄「僕、正直、小学校の記憶もあやしいんやけど…?」
七夕「でも、統のことは覚えてるだろ?」
栄「んー、じゃあ、七夕の説で行くと、きっと僕は統に一目惚れしてきたんやろな」
七夕「やっぱり!!」
菜苗「七夕くん? これ、七夕くんが栄くんに言わせてるだけだからね!?」
栄「それで、幼稚園行くまでは、菜苗とふたりして母方の実家に預けられててな。当然、そこには統もおったわけやけど」
七夕「それで、ふたりは仲良しさんだったのか」
栄「うん、まあそう。で、たぶん、統が幼稚園で通うことになった日は、泣いたと思う」
菜苗「うん、泣いてた気がする。もう、すごく泣いてそう」
七夕「菜苗、よく覚えるなあ。そんな幼児期の記憶。七夕なんか忘却の彼方だぜ?」
菜苗「小1なのに!?」
栄「それは、大丈夫なんか?」
七夕「ちっちゃい時、ふたりは何して遊んでたの?」
栄「……。せやから、覚えてないって」
菜苗「栄くんは、きっと、算数的なやつね」
栄「ああ、うん、たぶんそう。そうなると、菜苗は、将棋の駒で遊んではったんやろな」
七夕「お前ら、小さい頃からそうなんだな」
菜苗「うっ、何ひとつ成長していない…」
栄「ネガティブやなあ…」