城さんのお弁当。

前橋「じゃあ、みんな☆ 先生は、綾綺くんとおいしい!! 冷麺を食してくるからね。いい子にして待ってるんだよ。お土産、ちゃんと買ってくるから」
城「はあい!! 紗々はお菓子がいいです!!」
菅沼「僕も、お菓子がいいです!! フルーツタルト…、フルーツタルトをば是非!!」
高峰岸「何、その女子みたいな選択!?」
前橋「解った。高峰岸くんには、チーズケーキを買ってきてあげよう。2枚買ってくるから。じゃ、アディオス!!」
菅沼「良かったですね、高峰岸せんぱい!!」
高峰岸「ああ、うん…。ていうか、今から昼飯だよね?」
城「何を言うの、高峰岸さん!! 三時のおやつを思いながらの昼食だなんて、素敵すぎるじゃない!! たとえ、変わり映えのしないいつもと寸分たがわず同じお弁当だとしても、おやつを思えばこそ枯れ切った唾液も出てくるというものよ!!」
菅沼「城せんぱい…。そんなにお弁当、食べるの辛かったんですか?」
城「だって!! 紗々のお父さん、紗々が子供の頃に喜んだからってずっとオムライスばっかりお弁当箱につめこんでくるんだもの…」
高峰岸「ああ、二十年も同じメニューはさすがに辛いなあ…」
菅沼「ええ、紗々せんぱいのお父さんはオムライス攻めでも、自慢の三つ子のお母さんは…!?」
城「あの人、料理できない…。何故なら、火が怖いから…。ひたすら、冷凍食品のオンパレードなの…。せめて、ウインナーくらい焼け」
高峰岸「そんなに嫌だったら、お前が準備しろよ。自分の弁当だろ?」
城「だって、『なんか怖いからやめて』って紗々のお父さんが言うんだもん…」涙目。
菅沼「そこは、『紗々が可愛いから、お父さんやお母さんに作らせてよ』じゃないんだ!?」
高峰岸「あ、ごめん。今、思い出した。こいつ、調理実習でボヤ騒ぎ起こしたって…」
菅沼「うわあ…。それは、お父さん、料理するの止めますね」
城「もう、やめてくれないかな?」
高峰岸「すまん…」
菅沼「すみません」