好きな桜、どの桜…?

城「やたら、咲くのが早い桜だなーって思ってたら、それがさくらんぼの木だったんですよ。気付くのに、数年かかったんですけどね」
菅沼「桜とさくらんぼの木ってどう違うんですか?」
城「お花がねー、桜の花よりも白っぽいの」
菅沼「あー、でも、本当においしいですね。このさくらんぼ」
前橋「桜と言えばね、僕、地元ではしだれ桜とソメイヨシノくらいしか見たことがなくてね、関西に出てきてあのやたら色が濃いやつとか初めて見て、自分の中で勝手に『ぼんぼり』って呼んでたよ」
菅沼「なんか、可愛い!!」
城「先生って、植物には疎いですよね」
前橋「うん、僕、もともと花が綺麗っていう感覚が無いんだよね。人なら、この子可愛い顔だなとか解るんだけども」
高峰岸「えっ…!?」←遠くで聞き耳を立てていた。
菅沼「あっ、でも、その気持ちも解らなくもないですよ?桜もずっと綺麗だなって思うんじゃなくて…」
城「はい、はいっ!!私は満開がいい!!好き!!」
前橋「わあ、普通…」
高峰岸「俺は、桜吹雪が好きです。控えめな感じがして、どっかの紅一点とは大違いで」
城「うん、誰も聞いてないよ?」
前橋「あはは、菅沼くんは花筏かな?」
菅沼「葉桜です」
高峰岸「えっ、新緑じゃなくって!?」
菅沼「葉桜、最高です。あの、無様な姿が」
前橋「さすが、菅沼くんだね☆散り際っていうか、死にかけみたいな☆まあ、本当のところは違うけども」
菅沼「ふふふ、この僕が生命感溢れるモノを愛でるわけないじゃないですか!!」
前橋「だすけ、ソメイヨシノだば、日本全国どこさ行っても、咲き誇っでて自分のことば綺麗だって理解しでらどごが気にくわねえじゃ」※超低音で、早口。濁る音は鼻母音で。
高峰岸「え、今、なんて…?(汗)」
菅沼「だがらー、さすが前橋教授ですねっ♪」
前橋「まっ、そんなこんなで桜さんにはかわいこぶりっこしている女の子に対する嫌悪感と同種のものを感じるのだけれど、毎年某所の桜だけは見に行くんだけどね☆何故かは、教えてあげないっ♪」
高峰岸「だ、だから、毎年、桜の咲く時季には機嫌が悪かったのか…」ひとり、納得。