「高峰岸くんは大丈夫」。

前橋「高峰岸くんはさ、ここの助手でなくなったとしても、なんだかんだいって強かに生きていかれそうな気がするんだよね」
菅沼「そんな、前橋教授!! 高峰岸せんぱいの彼女さんの夢は、子沢山母ちゃんになることですよ!?」
城「それこそ子供がたくさんいたら、こんなところで万年助手なんか勤めていたって大変だよ?」
高峰岸「あのう、何を根拠にこんな話を」冷や汗。
前橋「だって、高峰岸くんは前期研修をやり遂げたからね!!」
高峰岸「いやあ、普通、医師免許とったら前期研修やらなきゃいけなかったですよね?」
城「てめえ、私と菅沼くんをバカにしてんのか?」
菅沼「鬼ですか、高峰岸せんぱいは?」
前橋「まあ、城さんは全く前期研修を経験してないわけではないからいいとして。問題は、菅沼くんだな」
菅沼「僕をここの次期教授にしてくれるんじゃなかったんですか!!」
高峰岸「いつもは嫌がっているくせに、こんなときだけ!!」
前橋「菅沼くんや。大学院出たら、もう奨学金はもらえないんだぜ? それどころか、これから先は返済地獄が待っているからね? 僕なんか、二回大学行って、大学院まで行ってるから、ついこの間まで」
菅沼「うう、現実的な話が」
城「でも、一定の成果をあげたら返済が免除されるのではなかったですっけ?」
高峰岸「それ、ごく一部の秀才の話だから…」
前橋「まあ、そういうことで、菅沼くんは卒業後、とりあえず研修医でもやってきなさい。城さんだけは、どうにかするけども、高峰岸くんは大丈夫そうだよねという話だよ」
高峰岸「何故、城だけ!?」