スマホのケースが、割れた。


安曇野「わ〜れた、割れた、スマホケースが割れた♪」
皋「あ、なんだっけ。そのメロディ聞いたことある。せせらぎちゃんが貸してくれた曲だっけ?」
安曇野「そうよ」こくん。
田辺「サカナクションじゃないっすか」
米谷「何それ。ていうか、よく解ったね」
安曇野「……」ものすごく嫌そうな顔。「あっ…!!」
田辺「んじゃ、俺、中野さんから呼ばれてるんで、行ってきます☆」
米谷「教授をさん呼ばわりしないの…」気落ち。
皋「相変わらず軽いなぁ…。私立大学の医学部出た人ってみんなあんなのなの?」
米谷「いやね、大体はしっかりとした人だから!! ちょっとあの人があれなだけだからね? けんかになっちゃうよ? 気を付けてね」大人の対応。
安曇野「身代わり地蔵的なことかしら?」
米谷「……。何のハナシ…?」
安曇野「ほら、スマホっていつも持ち歩くものでしょう。負のオーラ、つまりは、田辺に対する苛立ちがこのスマホケースを割ったのよ。せせらぎちゃんの嫌な気持ちは、全部持っていってあげるから、元気だしてってね」
皋「わぁ、『夏目友人帳』にもあったよね。そんなお話」
安曇野「茶碗が夏目くんの身代わりに割れたお話ね。俄然、素敵だわ」
米谷「全然わからん」