まな板に、黄身をぶちまける。

安曇野「酔っぱらっていたとはいえ、まな板に、卵の黄身をぶちまけてしまいました」さめざめ。
皋「え、素面でもよくあるよね。朝霞?」
朝霞「よくある、よくある。頼まれて割ったのに、めっちゃ激怒される理不尽。僕だぞ!? そりゃあ割るよ‼」
米谷「……。よくあるん!?」
美稲「卵は卵にぶつけて割れば、片方しか割れないのに‼」
皋「それ、最後の一個が残るじゃん‼」
美稲「最後の一個は、平らな所にぶつけるんや。ボールの角とか、シンクの角とか、もう絶対だめ‼ で、二ヶ所ヒビを入れればぐしゃっとなりにくい‼」
安曇野「一ヶ所だけだと、平行に割れて素敵なのに。やったぁ☆ ってなるわよ?」
美稲「平行に割る必要あるか!?」
安曇野「てか、多分ね。酔っぱらってる時って、先天性ミオトニアの症状が出ないのよ。普通なら、動き始めが筋肉ぐってなってからの、弛緩だからね。もう全力投球なのよ。真の意味で」
美稲「……。病気やおへんなら仕方ない」
朝霞「そんな『病気なら仕方ない』みたいな‼ ていうか、逆‼」
皋「病気があったらあったで、先天性だと、もうそれが普通なんだね。症状が出てないほうが異常事態…」
米谷「普通って、なんなんやろな…」
皋「思ったんだけど、酔拳ってあるじゃん。あれ、せせらぎちゃんと同じ病気の人が、お酒飲んで、真の実力を発揮したんじゃない!?」
安曇野酔拳、すごい‼ 確かに医学書には『稀な病気』記述ありだから、使い手が少ないのも納得よね‼ かっけぇ〜☆」
米谷「……。えぇっ…!?」