高峰岸さんと、『しめじ』。

高峰岸さん、電話に出る。
高峰岸「津慕美さん、どうしたん? しめじ? 解った。買ってく。うん、じゃまた」
城「菅沼くん、仕事場でいちゃついている人がいるよ!!」
菅沼「え、しめじはイチャイチャに入るんですか!?」
前橋「ここでは、独身が多数派だからね!!」
菅沼「高峰岸せんぱい、奥さんは何の仕事始めたんですか?」
高峰岸「あ、うん…」目を逸らす。
前橋「美稲さんところの末っ子情報によると、中京区の某ガラクタ屋さんだってさ☆」
城「えらいざっくばらんな情報ですなぁ…」
菅沼「高峰岸せんぱいの奥さん、発明家ですものね。しかし、何故、中京区…?」
前橋「美稲さんのご母堂のご実家の老舗和菓子屋さんがあるからだってさ☆」
菅沼「京都でガラクタ屋さんだなんて、小説に出てきそうですよね」目がキラキラしてる。
城「いやさ、子沢山母ちゃんになるのが夢なら、産休、育休とか託児所とかがしっかりしてる大手企業に行くべきだったんじゃないの? せっかくいい大学出たのにさ」
前橋「いや、まぁ、そこは高峰岸くんが稼ぐから大丈夫ということで」マジ。
高峰岸「……。あれ、ちょっと待って!! きのこ!! きのこ、なんだっけ!?」
菅沼「しめじです」
高峰岸「あぁ、そうだった…。ちゃんとメモしておこう」
前橋「医学部ん時さ、糖尿病の症状は『しめじ』で覚えるんだよって習ったじゃん」
城「習いましたなぁ」
高峰岸「菅沼、教えて!! 気になる!!」
菅沼「まぁ、『しめじ』は知らなくとも、内容は知っていると思うんですけれど。神経障害、目の障害、腎臓ですね」
高峰岸「うん、知ってる…。知ってるけど、なんだろう。この気持ち…」
前橋「同じようなことって多々あるよね…。中学の数学の時間に、『あそこの小学校の6年1組出身は知らないんだよね』って、なんか無性に傷付いた!! なんだよ、『おはじき』って!! オレは、『みはじ』で覚えてるよ!! って」
菅沼「僕もあります!! 『高句麗、しらないからくだらない』知りませんでしたもん!!」
以下、読了。