しーちゃんのお着物は、今いずこ。

綾綺「お父さま!! しーちゃんの遺品の件でお話に参りました」
紡「……。え、今更、今更…!?」
綾綺「僕は、形見分けにしーちゃんのお洋服を頂きました。でも、気付いたんです。洋服があるならば、着物も相当数あるやろうと!!」
紡「……。うぅ〜ん?」
綾綺「まさか、忘れて…!?」衝撃。
紡「ええと、紙織が高二の春休みに京都に帰ってきたやろ。その頃、九州の家で、紙織の分の荷物を、あれ、ていうか、自分も引越し…。あれ…?」
綾綺「まだそんな歳、ちゃいますよ、お父さま…!?」肩をゆする。
紡「ごめん、忘れてもうた…」
綾綺「お父さま…!?」



竹乃進「え…? 紙織の着物なら、うちの母親が今でも着てはるけど…? それが一体どうしはったん?」
綾綺「美園さんめ…」舌打ちする。
竹乃進「人の母親に向かって、舌打ちすんなや。お前の伯母さんやろが」
綾綺「ひどい、僕の妹の着物やのに!!」
竹乃進「もとはと言えば、そうやけども!! お前は、ぎょうさん、紙織のたっかいオーダーメイドの洋服もらいはったやろ!!」
綾綺「着物、紙織の着物…」涙。
竹乃進「言っとくけどな、女物やぞ…!?」
綾綺「小物作るとか、いろいろあるわ!!」涙。
竹乃進「うん、まあ、せやな…」納得。