まっとうな女子大生、津慕美ちゃん。

浜太朗「津慕美ちゃんはええ娘さんやで。ほんま。時間ある時、御所のまわり、ランニングしてたらよお会うし。大学生になっても、剣道続けてはるんやって？　偉いなあ」
次実「へえ」
叶恵「津慕美ちゃん、可愛いよねえ。神社でみこさんのバイトしてた時、あったなあ。しかも、そのバイト代から募金やら寄付やらしてはるんやろ。見上げた娘さんやわあ」
恵実「お兄ちゃんとふたりぐらしで今まで浮いた話もなくて。立派な婚約者見つけはったそうで、私も安心したわあ」

次実「津慕美ちゃんって、やたら他人からの評価高いんですよ」
前橋「え、いいことじゃない？」
次実「あの子、ほんまはもっと変な子なのに!!　せやかて、大学院の先生方が、こぞって『うちには来んな』って言わはって」
高峰岸「うん、美稲さん、うん」
次実「はっ、そんな外面のええ津慕美ちゃんを嫁にもらって、夫になる自分の評価まで上げようという魂胆か!!」
高峰岸「うん、まあ、それでもええけど」
前橋「高峰岸くん、心なしか涙目じゃあないか」
次実「うちのお兄ちゃんと同じ匂いを感じるんです。人の見てへんところで、ええかっこしいなことを!!」
以下、読了。