バスが怖かった菅沼くん。

部屋の片隅でさめざめと泣く菅沼くん。
高峰岸「どした、菅沼。先輩に話してごらん?」
菅沼「バスが」
城「猫バスかい?」
高峰岸「猫バスで泣くか」
城「嬉し泣きかもしれないじゃん!!」
前橋「もふもふしてるのに、不気味な顔だから傷ついたのかもしれない」
高峰岸「今更!?」
城「あれ、四半世紀前の映画ですよ」
前橋「ふふふ」
菅沼「僕、バス、いつも右側に乗るんですけど」
城「対向車線に面してるほうね」
頷く菅沼くん。
菅沼「とりあえずバスに乗ったら、すぐ座らなくては危ないではないですか。すると、大体、すぐ目の前にある席は優先席なのですよ」
高峰岸「ああ、だから、優先席を避けようとしたんだね?」
菅沼「で、左側に乗ったら、異様に怖くて」
城「菅沼くん、教室の右側、左側で怖いとかあるの?」
菅沼「大体座る位置は決まってますね。ひとつだとすでに埋まっている可能性があるので、第二候補まであります」
高峰岸「やっぱり決めてた」
前橋「決めてると思ってたあ♪」
菅沼「なんかこう、シートベルトをしていないことに恐怖を感じるような席でした」
高峰岸「ひとりジェットコースター気分」
前橋「いつも見てる景色と違ったから怖かったのかなあ?」
菅沼「あれは、きっと、バスの座席の非対称性によるものでしょうね。ほら、電車なら、大体左右対称じゃあないですか。新幹線は違いますけど」
高峰岸「ええと、左右対称じゃないものが怖いの?」
菅沼「接地面です」
高峰岸「話が見えない」