めぐちゃんに聞いてみる。

美稲家。
恵実「栄くんと菜苗ちゃんの小さい頃のお話が聞きたいの? で、誰?」
菜苗「ああ、私の姉の娘です」
恵実「ああ、そう。ということは、叶恵ちゃんと仲が良かった久理ちゃんのお孫さんということになるのね」
栄「あれ、めぐちゃん、会ったことなかったの?」
恵実「うふふ、ほら、本匠はんはお医者さまの家系でっしゃろ。私みたいな普通の家の女がねえ?」
菜苗「おばあさま、大丈夫ですよ。なんなら、本匠の医者よりかよっぽど稼いでいますから。それに、おじいさまが薬学部で、その子供3人が医学部って一般的には普通とは言いませんよ?」
七夕「え、お医者さまより!? なんの仕事?」
栄「七夕。今度、テレビの料理番組、見てみな。僕らのおばあさまが料理教えたはるから」
七夕「テレビ!? すごい!!」
恵実「やあねえ。栄くんたら、古いわ。今時の子なら、ネット配信でしょうに」
栄「なんやろか。このジェネレーションギャップ…。僕は2018年生まれのはず…」
七夕「10年代生まれって意外と年寄りなのか?」
菜苗「それ、違う!!」
七夕「で、ふたりは何して遊んでたの?」
恵実「ええと、どうぶつしょうぎかな」
栄「はっ、それで、将棋覚えたんやった!!」
菜苗「あったね、そう言えば、あったね!!」
恵実「ええとね、菜苗ちゃんが積み木ばっかりやって、栄くんが数字でばっかり遊んでたから、間をとってどうぶつしょうぎをやらせてみたのね」
七夕「観察眼すげえ!!」
栄「ええ、統は!?」
恵実「あなたたちがどうぶつしょうぎできるくらいには、統ちゃんは幼稚園ね」
栄「統…」
菜苗「ああ、それで、統さんは将棋できないんだ…」
栄「統を仲間はずれにしてしまった…」