七夕くんと、統。

望月家、玄関。
菜苗「栄くん、忘れ物持ってきたよ」
栄「まあ、お茶でも飲んでいきなよ」
菜苗「うん、そうする。おじゃまします」ぺこり。



居間。
七夕「あ、菜苗だ。菜苗も遊びに来たのか?」
菜苗「ひ、ひとりで遊びに来てるの?」
栄「何も、七夕かていっつも菜苗と一緒に居てはるわけやないんやで?」
七夕「勉強わかんないところ、栄に聞こうと思って」
菜苗「わ、私は? 私じゃあ駄目なの!?」
七夕「だって、数学だもん。しかも、学校のじゃないやつ」
菜苗「……。それは」
栄「な、無理やろ?」紅茶いれたて。「七夕は、ジュースな」
七夕「わはーい、オレンジカシス!!」
菜苗「それ、お酒じゃなくて!?」汗。
栄「違うから、大丈夫」マジ。袋、見せる。
統「あれ、菜苗ちゃんとゆったんだ」二階から、おりてきた。
七夕「ゆったん、栄に数学教わってるの!!」
統「へえ、すごいね。ゆったん」にこにこ。
菜苗「……。ゆったん?」首を捻る。
栄「ゆったんです」七夕の肩に手を置き、菜苗に見せる。
統「ゆったん、お星様のヘアピン新しいの作ったんだけど、見てみる?」
七夕「それ、キラキラしてる!?」
統「うん、スパンコールっていうの使ってるんだよ。キラキラだよ」