なーくん、大人になる。

名寄「ふう」
鷺沼「どした、ため息なんかついて」
名寄「僕も大人になってしまったなあと思いまして」
鷺沼「大丈夫、大人に見えないよ?」
鶫「そういうことを言いたいんじゃないと思うけど…?」
鷺沼「女か、女ができたのか」
鶫「言い方ってものがあるでしょうに」
鷺沼「ギャンブルからの借金か?」
名寄「残念ながら、今のところ僕の妻にふさわしい女性には巡り合えていませんし、ギャンブルにも手は出していません」
鷺沼「じゃあ、なんだ。相対性理論でも理解してしまったか?」
鶫「恵太くんの大人のイメージそれなんだ」
名寄「僕って、子供の頃から数学らぶなんですよ」
鷺沼「うん、知ってるけど?」
名寄「つまり、子供の頃からやってることは本質的には変わりないわけですよ」
鷺沼「オレが小2の時に鶫ちゃんに一目惚れしてから、その愛に変わりないことと同じようにか」
名寄「まあ、そう理解してもらえれば良いですよ。でもね、やってることに変わりはなくとも、だんだんと精神的に大人になっていくものじゃないですか」
鷺沼「そうだよ。それが、発達というものだよ」
名寄「子供のときにね、僕という人間は大変矛盾した生き物だったわけですよ」
鷺沼「うーん…」
名寄「数学しか愛せない体質でしたので、まあ、日常生活には支障をきたしますよね。でも、それでこそ余計に数学への愛は深まったという面も確かに否定はできないのです」