眼鏡で判断。

名寄「鷺沼先輩、顔に青のりついてますけど、たこ焼きでも食べてたんですか?」
鷺沼「お好み焼きだ」
鶫「はい、鏡」と言って、鷺沼くんの鞄から鏡を取り出す。
鷺沼「ていうか、ふたりとも指摘はしてくれるけど、取ってはくれないんだな」
名寄「いやあ、どちらかと言うと、僕が口に青のりつけてて取られるほうじゃないですか?」
鷺沼「そだね」頷く。
鶫「食後に、青のりチェックくらいしなよ」
鷺沼「ちょうど数学のアイデアが湧いてきたとこでな。それどころではなかったのだ。完全に失念していた」
名寄「自分の鏡じゃないんですね?」とノートを見せる。
鶫「私、遠出する時以外、鏡持ち歩かないの」
鷺沼「ああ、あんなにお好み焼きを食べた後なのに、痩せちゃってるよ!! ほら、見て。この笑顔になった時の、頬の高さと眼鏡の隙間!!」
鶫「……?」頭を傾ける。
名寄「鷺沼先輩、解ってませんよ。夜込先輩、解ってませんよ?」
鶫「あ、初めて名前呼ばれた」
鷺沼「眼鏡っ子にとって、眼鏡は顔の一部。よって、笑顔で眼鏡までの距離を測定し、体重の増減を認識するのだ」
鶫「ああ、そうなんだ?」
鷺沼「ほら、名寄も笑ってみろ。オレの鏡を貸してやろう」
名寄「はい。あ、太ったな」
鷺沼「ふふふ、成長期め☆ 先輩お手製のお好み焼きを授けてやろう」
名寄「わあい、やった!!」
鶫「ええ、私の分は?」
鷺沼「やだなあ、忘れる訳がないじゃないか!!」