城家の三つ子。

城「そうだ、別所さん。我が家の三つ子ちゃんの写真見せてあげよっか?」
別所「三つ子ちゃん!! 双子ならそこそこ見かけますけど、三つ子は珍しいですね」
城「上から、紗北(さきた)、紗央(さお)、紗南(さなみ)っていうの」
別所「胸がきゅんとしますね!! こんなちびっ子がいっぱい!!」
前橋「女子が子供好きってのはいいね。きっといいお母さんになれるよ」
別所「ほめていただき、ありがとうございます!! 私の夢は子沢山母ちゃんなので」
菅沼「ああ、目に浮かぶようだ」
別所「紗北くんはどんな子なんですか?」
城「紗北は、私のお父さんそっくりの小さな紳士ね!!」
前橋「そう言えば、最近、会ってないなあ。城さんのお父さんは、白髪と立派なおひげを持ち合わせたナイスミドルだよ。やばいね、あの歳であのカッコよさ。ま、だから、すぐに再婚できたんだろうけど☆」
菅沼「前橋教授が認めるナイスミドルの遺伝子を忠実に受け継いだちびっ子男子か。それは、是非、成長をこの目で見届けたいものだな」
城「うん。紗北はね、家族の中で誰よりも紗々のことを大事にしてくれてて、ごはんの準備とかプレゼントするのでも、紗々がいちばんなの。おっきくなったら、紗々のこと、養ってくれるんだって☆」
別所「なんですか、そのお姉ちゃん大好きな可愛らしい弟君!!」
前橋「うん、なんだか、城さんのお父さんが刷り込みしたのかな? って気がしなくもないよね」
城「で、紗央は無口さんなんだけど、紗々と目が合うとたたたたーって駆け寄ってきて、ぎゅうって抱きついてくるんだよ。可愛いねー」
高峰岸「なんか、良かったね。三つ子がいて」
城「えへへー☆ 末っ子の紗南は、愛情表現がちょっとばかり歪でね?」
菅沼「やはり、城せんぱいの妹子!! 異常でないわけはなかったか!!」
城「ん? 紗南は恥ずかしがり屋さんで、家族のみんなが見てないときしか紗々のとこに来ないんだよ。いっつも、紗々の首、ぎゅうってしめてくるの」
高峰岸「やめさせろよ」
菅沼「その末っ子とは、何して遊ぶんですか?」
城「紗南が好きなのは、いたちごっことか、けんかごっこ?」
前橋「末っ子、城さんに似たんだね」
城「ちょっと情緒不安定なだけですよ。たまに、奇声を発したり、食器を床にたたきつけたり、本やノートをやぶいたりするってだけで。そういうの、小さい子なら、よくやりません?」
菅沼「いや、世間一般ではどうでしょう…。思春期なら、ともかくとして」
城「でも、紗南が暴れてると、紗央がやってきてだきしめてあげるんだよ。ま、紗北は遠くで震えてるけど。そのとき、紗北は紗々のところに来る」
高峰岸「カオスな家庭だな…」