「へいパラ」の別所。

前橋「ええ、朝霞くん。それは本当かい!? あの総人の有名人、『へいパラ』の別所さんに会わせてもらえなんて!!」
高峰岸「テンション、高いな。あの人」
城「電話の相手が、朝霞くんじゃあねえ。前橋先生のお気に入りで、六回生なんだけれども、来年には神戸の実家に帰っちゃうらしいから、今のうちに遊べるだけ遊ぶぞお☆と、それはそれは嬉しそうに話していたからなあ」
菅沼「そんな、僕がいるのに!!」
城「菅沼くんのことだって、前橋先生は偏愛しているのよ!? だから、そんなに落ち込まないで」
菅沼「だからって、何故、その愛が『次期教授は菅沼くん』なんですか!?」
城「顔よ。前橋先生は、この研究室の教授にいちばん必要なことは顔だと言っていたじゃない!!」
高峰岸「顔なわけ、あるかあ!!」
メール届く。ぽんぴろぴろりん♪
前橋「やべえ、戦時中の女学生だ。すげえ…」大興奮☆
城「ええ、私にも見せてください!!」
菅沼「僕にも!!」
いつもどおり、もくもくと仕事を続ける高峰岸。



浜太朗「なあ、朝霞。で、さっき電話で言ってはった『へいパラ』って何?」
朝霞「ああ、別所のあだ名だよ。『平生がパラダイムシフト』の略」
浜太朗「それ、日本語としておかしないか!?」
朝霞「ううん…。まあ、ただのあだ名だし。それに、存在自体が逆説って感じを言い表していて良くないか?」
浜太朗「君、存在が逆説だねって、オレ、言われたないわ…」
朝霞「別所もなあ…。エジソンタイプなんだよなあ。正直、実際に自分がエジソンの担任だったらみんな嫌だろうって話だよ」
浜太朗「とか言っておきながら、塾ではしっかりいじめてはったくせに…」
朝霞「嫌だな。僕の仕事は、塾の生徒に入りたい大学に入らせてやることだぜ? 論理的思考ができなかったらまぐれで大学に受かったとしてその後が大変だろう。そして、ゆくゆくはあの変態的な発想力を駆使して…」