隣の、科。

安曇野「『隣の科は、外国よりも遠い』って言うけれども、高校からそうよね」
皋「『ブラックジャックによろしく』?」
米谷「どうした、あずみん?」
安曇野「高校の隣の科以前に、まず、理系文系の差よね。っていうか、『国語表現』って何。まじで?」
米谷「理系はないんか…!?」衝撃。
皋「古典や現代文の時間を理系より増やすならともかく、そんなのを正式科目にしてどうするの?」
米谷「なんということを‼ みんな、言ってたけれども‼」
安曇野「せせ、理数科で、理数数学に理数理科だったけれど、名前が格好いいだけ。普通の数学に理科」
朝霞「それは、学校に依るんじゃない。スーパーサイエンススクール指定校なら、もうちょっと何かあるだろ」
安曇野「母校、卒業後に指定受けてまじで悔しかった…。それよりも、某ノーベル賞受賞者の講演より、その十年前にあったあの大道芸人兼数学者の人の話が聞きたかったの‼ 高校に色紙あった‼」
米谷「ピーター・フランクルか…」
皋「数学好きだねぇ、せせらぎちゃん」
朝霞「子供の頃、数学者と言えば、ピーター・フランクルか、秋山仁か、世界の北野だな」
米谷「う、うぅ〜ん…。最後の人は、数学者ではないけれど、解る」
安曇野岡潔先生の切なさ、ラマヌジャンの切なさ、ナッシュの切なさ等知る由もなかったわね。小学生時代。ギリギリガウスの天才少年っぷりは、知っていたけれども。おかけで、中学最初の数学の授業で、意気揚々と1から100まで短時間で足してやったぜ‼」
米谷「……。数学者、切ない人ばっかりやな…」
朝霞「数学者は、切ないことになりがちなんだよ…」
安曇野「まぁ、理数系の授業は普通だったけれど、大学行って発表したわね…。せせは、本当にその場に立っていただけだけれど…」視線をそらす。
朝霞「そういうのって、普通科の人、知らないよね…」
安曇野「そう、知らないの。放課後に居残って、研究させられているなどということは」
皋「ま、私の高校は、普通科しかないけどね☆」
朝霞「普通科、潰しきくからな。大学行きたいなら、まぁ、って感じ…」