親指に、目がある。

安曇野「ねえ、くなたん。神秘家って職業なの? 具体的には、何を生業としている人なのかしら?」
朝霞「どうした、急に」
安曇野「せせの親指の第一関節を見てみて」
朝霞「うん」見る。
安曇野「ほら、ここ、目みたいになっているでしょう?」
朝霞「うん、なってるね」
安曇野「手相学的に、ここが目みたいだと神秘的ねってことらしいわ」
朝霞「ああ、そうなんだ。あ、で、神秘家がどうのこうのって」
安曇野「意味不明よね。占いで、あなたに向いている職業が神秘家ですって」
朝霞「でも、神秘家って自分から名乗るもんなのかな…」遠い目。
安曇野「でも、せせ、なんだかよく解らないけれど、『君は、不思議な子だね』とは、よく言われるものだわ」
朝霞「うん、それは僕も同意するよ」