落語を倍速で聴く。

何やら楽しそうなご様子の朝霞と皋を発見する浜くん。
浜太朗「何、聴いてはるん?」
皋  「んー?落語ー!!」
朝霞 「だから、お前、黙れ」
素直に座る浜くん。「えっ…!?」すぐさま異変に気付く。
浜太朗「これ、倍速やん!!」
朝霞 「もー、うるさいなぁー」一時停止。
皋  「朝霞は速読できるんだよ。速聴くらいするよ」
浜太朗「だからって、落語を倍速で聴く人初めて見るんやけど…」
朝霞 「これはな、米谷さんが貸してくれたんだよ。若者とのふれあいのためにだな…」
浜太朗「何ゆえ、若者とのふれあいに落語を…」
皋  「米谷さん、大阪の人でしょ。朝霞がうきどきわくな気持ち☆で『阪神ファンですか?』って聞いたら、『ごめん、野球はちょっと…』と言われ、ふたりの間に微妙な空気が…」
浜太朗「やっぱ、父親が興味ないと野球見いひんで?オレもそうやし」
朝霞 「まあ、その話はもういいよ。米谷さんの父上の場合は、子供たち激ラブで家の病院の仕事以外には、当の息子からウザがられるほど一緒に遊び倒したという」
浜太朗「切な…!!」
朝霞 「それで、野球の試合を観る暇はなかったらしい」
米谷 「歳の離れた妹は、いつまでたっても父親と一緒になって兄である私にちょっかい出してきたけどね…」
浜太朗「で、何で落語好きなんですか?」
米谷 「それはね、高校生の時に学校の行事で落語を観たんだよ。『うわー、楽しいー』って思って。僕が観たのは、怪談やったな」
皋  「あー、私も高校で観た!!」
朝霞 「やや偏差値低めの学校の生徒さんたちは、『え、今のどういうこと?』ってわかるまで時差があるらしいね☆」
浜太朗「うちの学校は、すぐさま大爆笑やったな。というか、英語の時間に『I eat a chicken』って言ったらもう大爆笑やもんな」
皋  「やだー、美稲ったらおもしろーい☆」←英検1級。
朝霞 「ああ、そうそう。米谷さん。借りたCDの8枚目まで聴き終わりましたよ」
米谷 「え、いや、貸したの昨日だよね?」
美稲 「朝霞のやつ、倍速で落語聴いてはるんですよ。信じられます?」
朝霞 「だって、だって、米谷さん妹さんのせいでこんな苦労してるし、体育の授業では本当にお世話になったし、ていうか医学生は忙しい」
美稲 「結局、『医学生は忙しい』て」
米谷 「まあ、わかるよ。朝霞くんは日々をがんばって生きているものな」
朝霞 「米谷さん、わかってくれます?」※瞳をうるませて。演劇部エースですから♪
米谷 「朝霞くん、飲めないお酒は無理して飲まないようにね。身体に気をつけて。とりあえず、研修医時代を生き抜け!!」
朝霞 「いやぁ〜、それはどうかな…。僕、本当に死なないかな…」
皋、浜太朗「朝霞ぁー!!」