忘れた頃にやってくる、天馬博士。

安曇野「天馬博士って、忘れた頃にやってくるわよね」
美稲「何の話や…!?」
朝霞「鉄腕アトム?」
皋「私、せせらぎちゃんとアストロボーイ観てるんだよ。アニメね」
米谷「何故、今更、そんな懐かしいものを」
安曇野「そうね。懐かしいわよね。アトムが生まれて十年以上経っているものね。ちなみに、現役組は、当時、中学生でした☆」
米谷「え、えぇ、アトムってもう生まれてんの!?」
美稲「オレは、アトムよりドラえもんかなぁ…」
安曇野「いいえ、美稲くんは、どう考えてもドラミちゃんよ。また、格好つけて」
朝霞「はぁ、天馬博士か。めっちゃイケメンだよね。浦沢直樹バージョン」
米谷「朝霞くん、漫画まで読んではるん…!?」
朝霞「まわりが、漫画っ子ばかりなもので、読んでないと会話通じないんですよ」
皋「全くね、少し時間が経つと、有名な漫画でも絶版になっちゃうからね。やっぱり、流行っているときに買って読まないと‼」
米谷「おじさん、漫画なんか読んでる暇なかったよ…。受験勉強だの、妹の世話だの、会社のプロジェクトだので」
朝霞「で、趣味が落語ですしね。覚えるのに、時間かかるし」
安曇野「でも、ダンテの『神曲』読みながらでも、現役で東大行く人はきっと居るわよ? もはや、ただのへんたいだけれど」
米谷「……。それ、立命館に居た頃、諦めたやつや…」
皋「一応、読もうとはしたんだね」
米谷「登場人物がな、うん、あれで」
朝霞「米谷さん、『デカメロン』面白かったですよ、読みますか?」キラキラした瞳で。
米谷「それ、世界史の授業でしか聞いたことないんやけど。読むんや、朝霞くんは読むんや」ショック。
朝霞「え、教科書、教材、模試に出てきたものは読みますよ。普通でしょ?」
美稲「普通かあ…?」