城紗々、生誕祭。

佐世保「今日は、紗々先輩のご生誕祭ですよ!? もちろん、参加しますよね☆」
前橋「うん、例年どおり、我が研究室の人員は参加しませんよ?」
佐世保「同じゼミですよ、参加くらいしてみたらどうですか?」
高峰岸「いや、あいつは、オレに参加されても嬉しくないだろうし…」目をそらす。
佐世保「はい、そうですね」
前橋「なんというかな、僕も参加したくないんだよ、これが」
佐世保「何故?」
前橋「だって、誕生日が重陽節句だぜ? 縁起の良い奇数が最大で、そんなのが重なってしまって逆に不吉だから菊パワーでどうにかしようという日だぜ?」
佐世保「何を言いますか。ここは、京都ですよ。天皇が怨霊になって、最終的にまつられるんですよ。それで、逆に京都は安泰だぜ☆ っていう土地柄ですよ?」
高峰岸「お前の先輩、怨霊扱いか」
佐世保「鬼門に紗々先輩の絵を飾っておくと、鬼が入ってきません」マジ。
高峰岸「ええ、ほんまかあ!? あいつ、魔よけ、ああ、うん、魔よけかあ…」納得。
前橋「僕の教え子って、なんかすげえな」遠い目。
高峰岸「ていうか、あいつ、重陽節句生まれなのか…」
佐世保「生誕祭はともかく、これしかいないくせにお互いの誕生日も知らないのですか?」
高峰岸「ああ、ええと、確か仙台出身のあの子は、なんかのアニメのキャラと同じだとかなんとか」
前橋「コナン君だよ。そして、コナン君と同じ誕生日であるのに、推理小説だの漫画だの、一切解けないんです。だから、僕はここの教授に向いていない!! と力説していたことがあった」
佐世保「ええと、法医学教室の教授の仕事は、変死体の解剖までであって、事件を解くのは警察の仕事では?」
高峰岸「うん、まあな」
前橋「その点、僕なんか、江戸川乱歩と同じ誕生日だぜと自慢してやったら、ずるい、出題者じゃん!! と涙目になっておった」
高峰岸「ちなみに、オレは、愛妻家の日です。あと、日本ではじめて五つ子が生まれた日らしいです」
前橋「へえ、五つ子か。頑張ってね☆」
佐世保「五つ子決定ですか」
前橋「決定です。よしんば、五つ子でなくとも、彼の奥さんの夢が、子だくさん母ちゃんなので、五人以上は子供が生まれるでしょう」良い顔。
佐世保「へえ、大変ですね」
高峰岸「ていうか、城は…?」
前橋「生誕祭の準備で帰った」
佐世保「私も、そろそろ行こうっと☆」
以下、読了。