「眼窩には、指をかけないで」。

米谷「君たち、眼窩には、指をかけないで。眼ぇの毛細血管、切れんで? 大人なんか、くしゃみしただけで切れるという…」
朝霞「大丈夫、大丈夫」
米谷「眼鏡屋の息子かつ医師の言動か‼」涙目。
皋「だって、朝霞、眼科医じゃないし。ね、せせらぎちゃん?」
安曇野「うん。あのね、夜寝るとき、眼窩にガッて指かけてから寝ると、次の朝、視界がクリアなのよ、やーたん」
米谷「それ、毛細血管切れるから‼」
安曇野「素人目には、眼が充血してるのか出血してるのか解らないとかいう説があるけど、そんなわけないわよね。せせの家族に、数回、眼の手術した人居るから知っているもの。手術の痕は、まさしく出血‼ よ?」
米谷「……。昔、CSで京都の大学生が演劇やってるの観たんや」
皋「一体、何の話なの。米谷さん」
米谷「眼ぇが痛いからって、ギュッギュッて押さえつけてるとな、眼球が歪むで!? という話やったんや」がたがたぶるぶる。
朝霞「京都の大学生、なんて恐ろしい話を‼」
安曇野「そういう話が怖いから、最初、医学部に来なかったのにね。やーたんたら」
皋「ねぇ、近眼って、眼球、歪んでるんでしょ?」
朝霞「破裂はしないはず」
安曇野「破裂したら、ゼリーが出てきます」
米谷「ゼリー言うの、止めて‼」涙目。