先天性、なんとか。

皋「ということで、いまだにヒールはくと歩けないよ、私。何故なら、あれ以来、ヒールをはいてないから」
米谷「いや、練習しよう?」
朝霞「ヒールで歩くのって、なんか竹馬とか、缶詰にひもつけて歩くのと似てるな。両方、やったことないけど」
皋「私は両方あるよ」
美稲「竹馬って、どこで乗らはるん?」
安曇野「そういうこと言うと、馬鹿にしてるって怒られるわよ?」
皋「自転車の乗り方とか、泳ぎ方って、小脳で記憶してるんだっけ」
安曇野「そうね。せせ、高校の生物の時間、『学習』の実験で泣かされたっけ」
朝霞「迷路だっけ」
安曇野「二回目もタイムが同じだったので、泣いたのよ」
米谷「ま、まぁ、個人差あるし」
安曇野「先生、困って、翌日、やっとタイムが短くなったので、ほっと胸をなでおろしていたわ」遠い目。
朝霞「あれな、きっと小脳が弱いからだよ。僕も筆記体とブロック体、タイムが変わらないからな」
安曇野「そうなのよ。私たち、決して運動神経が悪いわけではないの。ただ、随意運動だと、筋肉がぐってなるだけであって」
皋「先天性なんとかだっけ」
安曇野「そう、それ」
米谷「先天性なんとかって、何!?」
安曇野「くなたんと一緒に神経の本読んでるんだけど、いまいちどっちなのかよく解らないから先天性なんとかで済ましてる。だって、ぐってなるのも脱力も両方あるし」
朝霞「まぁ、あずみんが周期性四肢麻痺の発作あったってことは、どっちかで正しいんだろうなってことで」
米谷「はっ、だから、出かけないのか!?」気づく。
安曇野伏見稲荷大社ねぇ、上まで行ったら帰れなくなると思って、半分でみんなとお別れしたのよ」
朝霞「そんなことあったな」
皋「朝霞も、せせらぎちゃんと一緒に帰ったね」
朝霞「うん」
美稲「安曇野さん、大丈夫なんか?」
皋「周期性とは言いながら、一生のうちで数回しか発作ない人もいるらしいから、激しい運動しなきゃまぁ平気だよ」
美稲「えぇ〜…」