「テタニーは、のど飴じゃあ治らないよ」。

夜込「テタニーは、のど飴じゃあ治らないよ」
名寄「いやあ、のどが痛いんなら、やはり、ここはのど飴かなあと思いまして」とノートを見せる。
鷺沼「さっきからふたりで、何話してんの。名寄が筆談だから、電話聞いてるみたいで気になるんだけど」黒板の前で、振り返る。
名寄「大丈夫です。ただの健康相談ですので」
一二三先生「はい、いいから計算して」
名寄「ああ、あれ、テタニーって言うんですね。過呼吸でしびれてるやつと同じやつなんですね」とノートを見せる。
夜込「うん、そう。なんか、こういろんなバランスが崩れてね」
鷺沼「ねえ、何、一体何の話してんの? すげえ、気になるんだけど!?」
一二三先生「先生は、こっちの解答の続きが気になるよ!!」
名寄「実は、これまでも、高校の修学旅行前の健康が気になる生徒向けの事前健康診断も受けてみたりはしたのですが、何分、『テタニー』なる固有名詞を知らないじゃあないですか。それで、たまに『のどが痛くなるんですよ』とか言ってみたところで、『ああ、風邪?』とか返されるのがオチじゃあないですか。『違うの、じゃあ、過呼吸じゃあない?』って、それは違うんだよ!! となって、もういいやみたいな」とノートを見せる。
夜込「そうだよねえ。医者のほうも、医学書に載っている書き方でばかり考えてしまうからね。お互い、通じなかったりするよねえ」
鷺沼「なあ、名寄。お前、何の話してんの?」
名寄「ああ、僕の呼吸が度々止まるお話ですよ」
一二三先生「ええ、そんな重大な話してんの!? 大丈夫!?」
鷺沼「一二三先生。だから、名寄は医学部の鶫ちゃんに相談してるんですよ」
一二三先生「あ、ああ、そうか」納得。