紙織くんは、わざわざ着替えない。

竹乃ちゃんのお家☆
美園「紙織くん、着替えないの?」
紙織「え? 普通って、学校から帰ってきたら、着替えるものなのですか?」
美園「うん、いや、着替えなくともいいけれどね?」
圭一「紙織さんの私服って、やたらとかっちりしてますからね。あれだったら、わざわざ着替える必要性も感じられませんものね」
美園「そういうことかぁ…!!」納得。
圭一「でも、紙織さんも来年の春には大学生ですよ。そろそろ服の趣味を開拓していくべき頃合いやもしれませんね」
紙織「受かってもいないのに、服のお話!!」
美園「まあ、一理あるかもね。紙織くんが退院する時に着てたワンピースみたいな少しだけカジュアルなお洋服をば模索していけばよいのではなくって?」
紙織「はぁ、なるほど。お話の意図が見えて参りました。白衣が似合うお洋服ですね?」
美園「よし、圭一くん。いとこの素敵なお姉さんをば、君色に染めちゃえ☆」
圭一「デートですね!? やった!!」
紙織「圭一くん、どんな女の子がお好みなんだろう。わあ、楽しみだなあ♪」
圭一「ふふふ」笑顔。



綾綺「紙織ばっかり、ずるい!! もとはと言えば、僕のいとこで、圭一くんやのに!!」
竹乃進「うん、そうやな…」ノリについていけない。
圭一「兄さん、僕とデートしたかったら、いつでも言ってくれればよかったのに」
竹乃進「阿呆か。何が哀しくて、自分の弟、しかも妻子持ちとデートせなあかんねん」
圭一「ああ、でも、綾綺さん。綾綺さんとの楽しい時間が、紙織さんを僕色に染めるのに役立ったんですよ?」女たらしの笑顔。
綾綺「好き、こんな女たらしな台詞をさらりと言っちゃう圭一くんがスキ」ときめき。
竹乃進「阿呆か…」目尻に涙。
以下、読了。