なーくんには、もふもふがよく似合う。

名寄「……。ぬいぐるみ?」
ソファの上にぬいぐるみがある。手に取るなーくん。
名寄「もふもふしてる」もふもふの長い毛を頬にあてるなーくん。
鷺沼「名寄が可愛いよ、鶫ちゃん!!」ドアをばーんと開けて入ってくる。
鶫「なーくんが可愛いのはよく解っております」にこ。
鷺沼「鶫ちゃんの控えめな微笑もたいへん可愛らしいことです!!」
名寄「じゃあ、この場で可愛くないのは、鷺沼先輩だけですか」
鷺沼「尊敬する先輩に向かって、酷いことを言うんじゃないよ!! オレにだって、可愛いところのひとつやふたつあるよ!! ねえ、鶫ちゃん?」
鶫「……」口元に指を当てる。「んー…?」上半身を傾ける。
名寄「悩んでしまったではありませんか」
鷺沼「ふたりとも酷い!! ひろいよぉ〜…」ぐすぐす。
鶫「あ、可愛い」
名寄「可愛いじゃなくて、可哀想の間違いでは?」とノートを見せる。
鷺沼「可愛いんだよ!!」
鶫「それはそうと、なーくん、もふもふしてるぬいぐるみがよく似合うねえ☆ 床に座って、ぬいぐるみ抱っこして、数学してるなーくんの映像が頭に浮かぶよ」
名寄「喜ぶべきことなのかどうか微妙ですが」とノートを見せる。
鷺沼「お前、家でちいちゃな観葉植物でも育てていそうだよな。そして、毎日、水やりの時間に話しかけていそうだ」
名寄「まあ、大体、そのようなところです。数学の講義もしてあげます」
鷺沼「ゼミでは、一言も発さずに発表する子が観葉植物には講義ができるというのか!!」
名寄「はい。特に、質問を返してこないので」
鶫「ああ、質問されると困るよね」