「不安定で怖い」。

城「ねえねえ、菅沼くん。私がおすすめした本、読んだっ!?」
菅沼「はっ!! 城せんぱい…」
高峰岸「お前、一体どんな本読ませたんだ!? 菅沼が怯えてるじゃあないか!!」
城「何って。『薬指の標本』だよ。これ、好きな女子多いんだぜ?」
前橋「じゃ、次、僕読んでいい?」
城「はい、どうぞ。ということで、菅沼くん。前橋先生に、本、渡しといてね」
菅沼くん、頷く。
高峰岸「えっ、ていうか、タイトル怖くない?」
菅沼「そうです、怖いです!!」涙目。
城「怖くないよ、広い意味で言えば、恋愛小説みたいなもんだって!!」
菅沼「広い意味で言えば、ホラー小説の間違いでは?」
高峰岸「どんな本なんだ…?」
菅沼「なんかこの本、全体的に城せんぱいっぽいんです」
前橋「それは、恐ろしいね」
城「恐ろしいんですか? ただの耽美趣味ですよ?」
前橋「耽美も行き過ぎると、ホラーになっちゃうんだよ」
菅沼「だって、なんか、こう!! 不安定なんですよ?」
高峰岸「城だ…」
前橋「城さんだ」
城「え?」

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

↑浪人時代に読んで、超怖かった。