喜びに沸く朝霞家IN神戸。

広海「はあ、楽しみだなあ☆ もうすぐ水鶏くんとまた一緒に生活できるんだから」
柳「そうね、私も嬉しいわ。でも、研修医やるために戻ってくるんだから、ちゃんと支えてあげなくちゃね!!」
広海「柳さんはいいよね。水鶏くんが研修医になって忙しくしてても、別にそんなに寂しくないよね。だって、今までだって、毎週末、京都の下宿に通って世話してたんだもんね」
柳「なんですって!? じゃあ、言いますけどね、あなたが眼鏡屋をさぼったら、くぅちゃんの仕送りが減ってしまうでしょう。中学も高校も私立に通ってたのに、学費が全てタダだったのは、くぅちゃんの功績なのよ!? おまけに、塾や予備校のお金だって、くぅちゃんが成績優良だったから、すっごく安くて済んだのよ!? そのぶん、医学部に進んだ六年間の学費や生活費を十分に貯めておけたかと思いきや!!」
広海「柳さん、その話はいいよ。もう水鶏くん、大学卒業するんだから」目が泳ぐ。
柳「私、知ってるんだから!! 連休の度に、ふたりして、全国にある駅を全制覇しようとたくらんでたこと!! しかも、実際にやってのけたし!!」
広海「え、いや、あれは、眼鏡屋の研修だよ…」
柳「そんなにたくさん眼鏡屋の研修があるわけないわ!!」
広海「だって、だって、水鶏くんが『これは僕が頑張って浮かせたお金だよね。本来、かかるはずの分の学費は、もちろん、僕に投資してくれるんだよね?』ってあの笑顔で!!」
柳「どうせ、『父さんも電車好きだよね?』って口説かれたんでしょうが!!」
広海「だって、電車好きだもの!!」