なーくんと鶫ちゃん、恋のお話。

鶫「ねえ、なーくん。『好き』ってなんなんだろうね?」
名寄「ついに、鷺沼先輩との破局を迎えるのですか?」※筆談。
鶫「うんとね、私、恋愛映画は小学校に上がる前から好きだったのだけれど、実際に自分が恋をするとなるとちゃんちゃらおかしくてね。なんていうの、理想が高すぎて現実がくだらないものに思えてしまったのね」
名寄「例えば、本心では雑誌に載っているようなハイブランドの洋服が欲しいと思っても、現実に着ている服は安物みたいな…? でも、親なんかからは、あんたが好きで買った服着てるのに、何が不満なのと責められて、そうだけどそうじゃないんだよという? 服だったらよくありますけど」※筆談。
鶫「大体、そんな感じかな。まあ、おませさんな女の子には、同い年の男子ほどくだらないものはないのね」
名寄「やはり、そうなると、鷺沼先輩はくだらないのですか?」※筆談。
鶫「私、すっとしてる男の子が好みなのだけれど。ええと、今までなんとなくいいなと思った男の子たちね?」
名寄「え、鷺沼先輩…。騒がしくないですか? むしろ、僕は、先輩のガチャガチャしているところが好感持てる所以なのですけど」※筆談。
鶫「まあ、私が見た目にはおとなしそうだけど、実際には、自己主張の強い子というのを鑑みると、ただ物静かなだけの男の子では、相手が私に気圧されてしまうと思い至ったのよ」