「行けそうな気がする」。

譲「結局、良太はどこの大学行くの?」
良太「ん、名古屋大学に行きますと言ったら、両親が嘆き悲しんでいたよ。東大でも京大でもないのか!! って」
譲「やっぱ、京大に行けばいいんじゃないの?」
良太「それで、学部は京大出たんだから、大学院は東大ねとか言われたら、もう面倒すぎる。だから、オレはどちらにも偏らないと決めたんだ」
譲「へえ、じゃあ、オレも名古屋大学、行こうかな」
良太「は?」
譲「ほら、うちの父ちゃん、大工だろ。でも、オレに大工なんて無理だろうからさ」
良太「譲、身体の線が細いからな」
譲「うん、じゃあ建物の設計とかやってみようかなって」
良太「それで、名古屋大学に? そうなると、工学部か? 譲、数学できるの?」
譲「評定は1だったけど、良太が教えてくれるならきっと大丈夫!!」
良太「あのさ、オレ、東京に住んでるんだけど…」
譲「毎週、京都に来ればいいじゃん」
良太「え、譲は来ないの…?」
譲「お前をひとりきりで新幹線や飛行機に乗せるなんて不安だと、父ちゃんと母ちゃんから禁止されている。その点、ひとりで東京―京都間を移動する良太はすげえな!!」
良太「……」←面倒なことになったと思っている。