寂しがり屋さんの聡明。

前橋「もっと、みんなして僕と遊ぼうよ!! 先生は同年代のお友達がほとんどいないんだよ」
高峰岸「ご乱心・・・」顔面蒼白。
城「はい、先生。私も何故か同年代のお友達がいません。本当に何故? ものすごく年上のお友達なら実存するのだけれど・・・」
菅沼「あ、僕もいないなあ・・・。今、思い出すだけでも大学の卒業式は友人のいなさ具合に泣けてきますぜ・・・。高校までは、ギリ、友達いたけども。他クラスだけども」
前橋「菅沼くん。あまりの動揺具合に語尾がちょっとおかしくなってるよ・・・? で、高峰岸くんはさあ、よく自分は家族から嫌われてるって言うけどさあ、いるの? 友達ならいるわけ?」
高峰岸「そ、そんなん関係な・・・」
城「逃げるな、高峰岸!! 家庭にも職場にも自分の理解者は誰ひとりとして存在しないと認めることから道は開けてくるんだぞ!! だからこそ、今の私がいるんだ!! 勇気を出してアンティーク着物仲間やお茶会仲間と出逢ったんだ!!」自分で言ってて感涙。
菅沼「僕は正直、友達がいなくても自分と同じ東北出身の美人眼鏡っ娘妻がいさえすれば別にどうでもいい。よしんばその美人妻が結婚してすぐに他界したとしても、彼女は僕の中で永遠に生き続けるから問題ナッシングだ」

前橋「うん。まあねえ、人によって必要な仲良しさんの数って変わるからね。結婚式には呼んでくれよ? 行くから」
菅沼「もちろんです!!」
城「私も、私も行っていい? 招待してくれるの?」
菅沼「はい、是非、来て下さい!!」ハイテンション。
高峰岸「どうせ、オレは呼んでくれないんだろ・・・。奇麗な菅沼と奇麗なお嫁さんの奇麗な結婚式には、奇麗な前橋教授と黙っていさえすればなかなかに奇麗な城しか招待されないんだ。奇麗じゃないオレなんかどうせ・・・」
城「何回、奇麗奇麗言ってるんだよ。他人の美貌に嫉妬するなんて卑屈だなあ・・・」
前橋「大丈夫さ、高峰岸くん」肩に手を置く。
高峰岸「前橋教授・・・」
前橋「結婚式にも、きっと引き立て役は必要なはずだから!!」
高峰岸「教授を一瞬でもいい人だと思った自分がバカでした・・・」
城「まあまあ、得意のお寺さん大好きネタからおもしろ説法でもすればいいじゃない」
菅沼「しかし、前橋教授もほとんど死んだ側の人間のような感じを漂わせておきながら、なかなかにかまってちゃんですよね。本当に意外だったのですが」
前橋「ふっ・・・。菅沼くん、東北出身者だなんて、十中八九、かまってちゃんなんだよ?」
城「八、九割もですか? 言い切っていいんですか?」
前橋「城さん、東北は一年のほぼ半分が冬なんだよ。『は盆過ぎだら秋』なんだよ。そりゃあ春夏は『あら、お花が奇麗ねえ、やっと春が来たのねえ』だなんてひとり散歩するのも乙なものだよ。ただね、冬にかまう人がいないというのは、実感としてマジでヤバい!!」
城「ああ、春夏ならお昼寝から目覚めても詩的で素敵だなあって思うのに、それが真冬の夕方で家に誰もいなかったりすると涙が止まらなくなる感じですか? 日も落ちてお部屋が暗いから灯りをつけて、でも、その無機質な蛍光灯に刺されるような感じがしてねえ・・・」
高峰岸「ちょっと、お前、なんでそんな恐ろしいこと言うの? 何、そんなに中原中也好きなの?」
前橋「そこで不安になってしまった高峰岸くんにはこの本を紹介しよう。ほれ」

心からのお見舞い―たった一度会うだけで落ち込んでいる人を癒してあげる方法 House Calls日本語版

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城「泣くで!? オレには、友達なんていないんだ〜って思ってる人が読むと泣くで!!」大興奮。思い出し興奮。
菅沼「そうですよ、人間は本当にひとりでは生きていけないってことが実感できますよ」
高峰岸「また、オレだけ仲間はずれ・・・」
前橋「めんどくさい子だなあ・・・」頭ぽりぽり。