桜を見て泣きそうになる…。

家の目の前は市内でも有名な桜並木だったりする。そして、どうもここの桜は自己主張が強いように思われる。憂鬱な思いで引っ越してきたその日も、バカみたいに桜並木は香っていた。というか、仙台は野草園で嗅いだ十月桜に次いで「桜の香り」というものを認識した。本来なら逆だが、「入浴剤の香りと一緒!」と思ったのだった。
日本中、基本的にはどこも同じクローンなソメイヨシノさんだと思うのですが、ここの桜は「わさっと感」がすごい。手入れはしてはいるのだが、あいつらはきっと自分が綺麗であることを自覚しているように思わせてしまう。古都に咲く桜は一味違うんだぜ☆と。うちんとこの桜はもっとこうお上品なんだよ。高いところから見ると「桜並木」が絨毯みたいなの。
しかし、桜。引っ越しとお花見シーズンとが重なると本当に悲劇なんだぜ。母とふたり、重たい布団とカーテンとシーツ類をほとんどひきずりかねない思いで持ち帰ったからね。あれはないね。タクシーがつかまらなくてね。タクシー会社に電話をしたら、「他の会社に電話して」だもの。何だ、それ。京都駅にもうすぐ着くというところで新幹線で桜を見てはしゃいでいる場合ではなかったです…。←ここの桜がどこの桜なのか未だに謎。清水寺?と思ったけど、よく考えたら方向逆ですからね。アホだ。
そして、乗り換えた電車で急病人が。びっくりした。おじさんが寝ている間に痙攣していたそうで、最寄の駅で緊急停車した。あんなドラマの中でしか起こらないであろうことが現実でもあるんですね。しかも、同じ車両って。
今、満開だから夜桜見物と洒落込もうかと思うと、氷点下になったりするんだ。そこまで寒い思いをしては見たくないよ。「遅霜に注意」って!!しかし、一年中、川には夜であっても人が佇んでいたりするのでよくびっくりします☆だから、誰もいない深夜に行けたらおもしろいと思う(笑)。
なんかちょうど周りが蒼っぽいときの桜は涙が出そうになった。自分のキャラを想って。「幸福」の象徴である桜がそばに在って、それなのに好きな人から見捨てられてしまう。崩壊してしまった「愛情の行為」と桜の儚さとがリンクする。夢を叶えたあとの聡明はひとりこの桜を見てはいつも泣いてしまうんだろうなー…と。このどうしようもない想いを書かなくては作品として成り立たないなとも。