七夕くん的、「喧嘩両成敗」。

七夕「ねぇ、菜苗。何これ。この漢字がいっぱい並んでるやつ」
菜苗「喧嘩両成敗ね。喧嘩したら両方負けよ的な意味じゃない」
七夕「いや、どっちかが勝つだろ」
栄「僕もそう思う」
菜苗「ほら、出た。面倒くさい‼」
栄「勝負はな勝ち負けと書くんや。どっちかが勝つまで止めたらあかんのや」
菜苗「喧嘩したら、先生や親に叱られるとか、怪我するとかあるじゃない‼」
栄「そんなことは、百も承知や‼ それでも止められないのが喧嘩やろ」
七夕「うん、それはよく解る。ふたりを見てればな」
菜苗「これは、喧嘩じゃないのよ」
栄「勝負や」
七夕「勝負なの?」
菜苗「あーあ、いとこなのに、どうしてここまで見解の相違が生まれるのかしら」
七夕「本当にな」
栄「で、喧嘩両成敗がどうしたんや、七夕」
七夕「ええっと、国語の宿題で日常生活からことわざの実例をさがしてみましょう、だって」
菜苗「何故、喧嘩両成敗が漢字で書いてあるのかしら」
七夕「先生が適当に本をコピーしてきたから」
栄「あぁ、うん。七夕の先生、面倒くさがり屋なんやな」
七夕「そうそう。だから、宿題も適当でも怒られない」
菜苗「えぇ、それはどうなの」
七夕「それでさ、喧嘩両成敗って、素足と靴だろ?」
菜苗「何を言っているのかしら、七夕くんは」
栄「素足で靴はいたら、靴擦れするから嫌やなぁ。サンダルなんて十足に一足しか当たりがこない」
菜苗「当たりの確立が低いわね」
栄「まぁ、痩せてるのもあると思うけどな。革靴も痛いし」
七夕「靴擦れじゃないよ。それだと、靴の勝ちじゃん」
栄「せやな」
七夕「正解は、におい‼ 素足で靴を履くと、足も靴もくさくなるから‼ ほら、両方負けた‼」
菜苗「それどころか、スリッパまで飛び火するのよ」
七夕「きゃあ、怖い‼」
栄「ほんまにええ革靴やったら、素足でもくさくならんらしいけどなぁ」
七夕「七夕は高い靴を一足だけよりも、安くて可愛いのをいっぱいがいい」