夏と、ファンデーション。

皋「ねえ、せせらぎちゃん。なんかおしゃれ雑誌持ってる?」
美稲「その、おしゃれ雑誌いう言い方の時点で、全然おしゃれっぽくない‼」
米谷「うん、まあ、確かにな。ファッション雑誌とかやない?」
皋「そうなの?」
美稲「そうなんやで?」
朝霞「まあ、解ればいいじゃん」
安曇野「うんと、カバンの中にはないけど。ああ、医局にあるわよ。暇潰し用に」
せせらぎちゃん、果枝つんに雑誌を渡す。
安曇野「何かおしゃれで解らないことがあったら、せせが教えてあげるのに」
皋「うん、ありがとう。でも、私もそろそろアラサー。自分で勉強してみようと思って‼」
朝霞「皋が女の子らしくなってる‼」涙目。
米谷「な、何故、泣く…!?」
皋「夏って、ファンデーション塗らないのか‼」果枝つん的に、衝撃の事実。
米谷「え、ファンデーション塗らなくて何塗るの?」
安曇野「BBクリームとか、CCクリームとか、そんなの」
米谷「え、クリームなのにファンデーションの代わりになるの?」
美稲「なんで、皋より米谷さんが、気になってはるんや…?」
米谷「ああ、夏なのにみぽりんにファンデーションあげちゃったよ」頭を抱える。
朝霞「いや、大丈夫じゃない? すぐ、秋来るし。そんな数ヶ月で、駄目になるようなものでもないだろ」
米谷「あっ、そっか、うん。そうやな」
安曇野「みぽりん、湖水お兄ちゃんからファンデーションなんてもらうお年頃なのね。もう、すっかり大人の女性ね。医学部勝手に辞めるよう子がね」遠い目。
米谷「もう、お兄ちゃんが医者になったからいいの‼」
皋「それはそうと、何塗ればいいって?」
安曇野「こんなのよ」ポーチから取り出す。
皋「これ一本でいいの?」
安曇野「というか、果枝つんはもともとBBクリームだけでは?」
皋「なんかなくちゃって、でも、買いに行く暇ないから別にいいやとかいう話を電話でしてたら、実家からメイク用品が山のように送られてきて…。正直、扱いきれないんだけど。今回だって、学会があるから、化粧してこいよって言われて、それはもう尋常ならざる化粧くずれで、学会が始まる前に顔洗ってこいって一体どういうこと!? って‼」涙。
安曇野「……。そういうことだったのね。確かに、化粧してこいって言っときながら、学会始まる前に化粧落としてこいは、酷すぎるわよね」
米谷「なんか、うん。……」
朝霞「だから、素直にあずみんに聞けばいいのに」
皋「私、化粧の仕方なんて、学校で習わなかったもん‼ だって、美容師じゃないし、医師だし‼」
安曇野「まあね。大人になったら、女性はメイクするのがマナーと言うのならば、学校で教えろよという気もしなくはないわよね。でも、果枝つん。美容関係ない普通の大学でも、就活セミナーの一環でメイクは教えているわよ? でも、美稲くん、こういうの興味ありそうよね。お姉さんと妹さんに挟まれているものね」
美稲「ああ、うん。姉ちゃんが雑誌見せてきて、これやれとかな」
朝霞「うん、解る。叶恵さん、言いそう」
以下、読了。

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