あのたこ焼き屋は、今…?

前橋「そう言えば、前の大学んとき、下宿の近くにたこ焼き屋さんがオープンしたと駅前でチラシを配られたものだったが、行けなかった…」ぼそっ。
城「ええ、前橋先生が一浪して大学生だったときのお店ですよ? もうないですって」
高峰岸「決めつけんなよ!!」何故か、涙目。
菅沼「なんかすげえ遠くのパン屋のチラシが郵便受けに入ってたりしますけど、行かねえよって思いますよね…」
前橋「行かないよね!!」
高峰岸「い、行きませんけど…。大学や会社がそっちにある人は帰りに寄るかもしれないじゃあないですか…」
城「第一、本当にそのパン屋のパンがうまかったら、もうすでに近くの学生や会社員は常連になってるはずだから、なんとも的外れだな」
前橋「はあ、高峰岸くん。実家に住んでるんだよね? たこ焼き器あるでしょ?」
高峰岸「わ、我が家では、『たこ焼きなんかよう焼かん』という家庭の教育方針がありまして…」
城「は、関西なのに…!? 幼稚園児でもくるくる回すんだぜ? そんなんで、お友達の家で、『さあ、おやつはたこ焼きよ』ってなったら…」
菅沼「ああ、ああ…。はい」頷く。
高峰岸「だって、茶道の家元の人と、その娘がたこ嫌いなんだもん…」白衣の袖で、涙をぐいっとぬぐう。
城「さすがの無効化だぜ!! 血だったんだな!!」
前橋「ああ、うん。じゃあ、たこ焼きはやめておいて、お好み焼きでも焼こうぜ?」慈悲。
菅沼「さすがに、研究室でやったら怒られますかね…?」
城「おにぎり作っても、文句言わねえくせに」
前橋「なんかチェーン店のところあったでしょ。あそこに行こう」
城「そうしましょう!!」