携帯電話に手を挟む朝霞。

朝霞「あ、いたっ…。また、手、はさんだ…」
皋「朝霞、スマホにしたら、形状的に手はさまないのに」
朝霞「僕には無理。スマホは無理」
美稲「え、朝霞、でかいやつなら使ってはるのに…!?」
朝霞「あれは、あの大きさだからこそなんとか使いこなせているのだ。だから、スマホは無理」
美稲「なら、スライド式のやつにしはったら？」
朝霞「なんかな、機種変更したら、そのケイタイに慣れるまで時間がかかるだろう」
皋「ああ、そんな時間があったらもっと他にしたいことがいくらでもありそうだもんね、朝霞」
朝霞「そうなんだよ。四月から研修医になるしな」
美稲「せやから、春休みのうちに、新しいケイタイに変えて慣れておけばええやん」
朝霞「学生生活最後の貴重な春休みだぞ!?　僕には、卒業旅行と称して、あちらこちらに赴かねばならぬところがそれこそ星の数ほどあるんだ」
皋「朝霞、私と一緒に北海道行くもんねえ〜？」
美稲「何で!?　オレは!?」
朝霞「ついてくんなよ。僕はいとこん家に行くんだよ」
皋「そうだよ、お墓参りにも行くんだよ」
美稲「あぁ、うん。さすがに他人のお墓参りにまではついていかれへんわ」
以下、読了。