憧れのフィールズ賞。

4歳の誕生日、僕は父からフィールズ賞の存在を聞きました。そんな素敵な賞があるのかという喜びと同時に、とんでもない絶望が幼い僕を襲ったのです。
「あと36年しかない」
当時、父ですら為し得なかった受賞。僕にとって、4年間の人生は、数学を心から理解しきるにはあまりにも短すぎたのです。こんな人生をあと9回繰り返したとして、どうして4年に1度選ばれる4人の素晴らしい数学者になれるというのでしょう。
肩を落とす僕に、父は大切にしていた赤チャートを授けてくれました。真っ赤な希望。



昴耀「栄、この間『数愛』に載せたコラム、すごく評判良かったみたいですよ。特に、大学で数学を専攻しているお姉さんたちに大評判だったって」
栄「わあ、このまま連載狙えるかな?」
統「あれ、読んだけど、意味わからんかった…」
次実「数学が好きなお姉さんは萌えるんだよ」
統「そういうもんなん?」