お豆腐みたい☆

菅沼「前橋教授! 素直に答えて下さい…、いいですね!?」
前橋「うん、いいけど…。何かな?」
城「ついに、菅沼くんが次期教授を引き受ける気になったか…!!」
菅沼「違うっ!! それは断じて違いますよ、城せんぱいっ!!」
前橋「まあまあ、菅沼くん。本題に戻って☆」
菅沼「おほん。湯豆腐っておいしいですよね?」
高峰岸「言うに事欠いて、湯豆腐…!!」
城「おいしいよ、菅沼くん!!」
菅沼「ま、前橋教授はどう思われますか…!?」
前橋「うん、おいしいよね☆ 湯豆腐って」
高峰岸「今、湯豆腐の季節でもなんでもないのに…」
菅沼「ああ、良かった…。これで、僕は明日からも生きていけます。辛いことがあったからって、いちいちすぐ頭を机の天板や壁に激突させたい激情に駆られるようでは、成人として失格ですよね!!」
前橋「うん…? 何の話」
城「ああ、結果的にそうなった場合でも、菅沼くんみたいにそうしたかったんじゃなくて、頭ん中のこんがらった毛糸玉みたいなやつを今すぐどうにかしたくてやっちゃうんだよねっていう話じゃないですか?」
高峰岸「おい、菅沼。その願望を実行してはダメだぞ。癖になるからな!!」
前橋「そうだよ、菅沼くん!! 先生は、君の後頭部の形がなかなかどうして大好きだ。かと言って、後頭部だけ素敵にまあるい形を保っていても、おでこの部分が陥没してしまったら嫌だもの!! そりゃあもう残念な気持ちだよ!! 美人でも肝硬変とか嫌過ぎるだろっ!?」
菅沼「嫌だあ〜…。美人なら、肝臓も美しくあってほしい…!! 健康な肝臓のなんと美しいことか!! まるで宝石のような輝きを持ち合わせているというのに!!」
津慕美「こんにちは〜…?」
前橋「おお、別所さん!! 別所さんの肝臓はきっと宝石のような輝きだよねっ!!」
津慕美「え、ええ…? ど、どうでしょうか…?」
城「ところで、菅沼くん。なぜに、湯豆腐…?」
菅沼「ああ、昔、クラスの女子に言われたことがあるんですよ。これが繊細な子らの飴細工みたいなハートをずったずったに切り裂く言葉のナイフ製造マシーンみたいな女で」
高峰岸「菅沼って、嫌いな女子多いんだろうな」
城「そう、酷いことを言われちゃったのね」
菅沼「誰々は、動物で言うと犬っぽいよね〜とかそういう流れで。菅沼くんはお豆腐だよね、と」
高峰岸「出た、豆腐!!」
菅沼「何かにぶつかるとすぐに潰れちゃうところとか、そっくりだよね〜と。あと、肌が白いところと、四角で堅物なところとかと」
前橋「わあ、さらっと小粋に嫌がらせてきたね、その女子」
城「そうか、それでお豆腐のいいところを探そうということになったわけね!!」
前橋「よし、湯豆腐、食べに行こう!!」
津慕美「え、それ、私も行っていいですか!? 次実ちゃんも湯豆腐好きなので!!」
城「わあい、行こう!! 行こう!!」