高峰岸母の正体。

高峰岸母(以下、母)「あの、前橋先生の研究室はこちらで合ってますか?」
前橋「ああ、はい。どうぞ、中にお入り下さい」にこっ☆
母「お、男前な先生で!! うちの愚息とは大違い!!」
城「高峰岸さんの母上、なんて素直なお人なの!?」
菅沼「あー、ふうん、へえ」
高峰岸「その反応何!?」
前橋「きっとあれだよ。参観日かなんかでクラスメートの親を見て、なるほどこの親にしてこの子ありかあ、みたいなことだよ」
高峰岸「で、結局、どう見られてるわけ!?」
菅沼「あれなんすよ。中学のときにどうも苦手な女子がいたんですけど、その子の親が学校に来たときにその女子と一緒になって玄関ホールをぴょんぴょこ飛び回ってたんですよ。生徒会に入っていて、優等生キャラかと思わせぶりなことをしておいての、ただ普通に頭のおかしなやつだったって話ですよ」
前橋「うわあ、僕もその女子嫌いだな。話しかけられてきても無視するな」
城「ええ、何故!?」
菅沼「僕も前橋教授も、思春期はそれこそ死ぬ思いで過ごしていましたから、そんな最中に乗り越えるべき対象である親となかよしこよしな女子になんかこう腹の底から黒い感情が湧き上がってきただけです。それだけのことですよ、城せんぱい☆」
城「ああ、実は高峰岸さんとその母上も同じような香りがするということなのね!」
高峰岸「うう、なんかもう…」泣く。
母「もう、れんたんたら、大人の男が人前で簡単に涙を見せないの!」
菅沼「れんたん…!?」
前橋「そこはスルーしておこうよ、菅沼くん」肩をたたく。
母「それで、これなんですけど」と風呂敷包みを取り出す。
前橋「ああ、わざわざご足労ありがとうございます」ぺこり。
城「ああ、その風呂敷は…!?」