「シリーズ物の漫画って、一冊だけなくすわよね」。

安曇野「シリーズ物の漫画って、一冊だけなくすわよね。美稲くん」
美稲「えっ、いいえ」不思議そう。
皋「美稲はそうだろうね」
朝霞「隠れて読んでるの、どうしてんの。美稲」
皋「え、花の本の後ろに隠してあるんじゃないの」
美稲「何故、皋が知っている!?」
朝霞「もはや花の本は隠さないんだな、美稲は」
美稲「隠すも何も次実が持っていかはるし」
米谷「な、何の本…!?」
朝霞「少女漫画」
米谷「あぁ、普通に妹の代わりに買ってこさせられるよね」
安曇野「違うのよ、やーたん。美稲くんは自分で読みたくて買っているのよ」
朝霞「どうせ次実ちゃんも読むんなら隠す意味ないと思うけどな」
皋「かっこつけだもんな、美稲は」
美稲「それで、安曇野さん、何の漫画読んではったん?」
安曇野「前に『華族とは何者か』的な番組観たから、『明治緋色綺譚』からの『明治メランコリア』で、後者が一冊なかったの」
米谷「……。ふぁみりーのかぞく? 社会学か、心理学とか?」
安曇野「美稲くんが大好きなお花さんのほうが近いかしら」
朝霞「豪華絢爛の華じゃないですか」
皋「ごうかけんらんって、読めるけど書けないね」