なーくん、高専生と鉢合わせてそわそわする。

名寄「ちょっとコンビニ寄ってきてもいいですか?」
鷺沼「じゃ、オレも行く」
夜込「私、外で待ってる。込んでそうだし」



数分後。
夜込「なーくん、なんだかそわそわしてない?」
鷺沼「そわそわしているな」
名寄「だって、高専の人が居たのですよ。蹴球部のジャージ着た!!」
夜込「それで、何故、そわそわするの?」
名寄「低偏差値経験者は、高偏差値っぽさそうな人を見かけると、そわそわするのです」とノートを見せる。
鷺沼「いやいや、国立高専って、国立大学と同じくらいだぜ?」
名寄「卒業したらね!! しかし、中学時点で、例えば、建築の勉強がしたいと思い立ったとしましょう。具体的に、どういった進路を考えますか!?」
鷺沼「え、当時、中学生だろ。普通に、工業高校の建築科だろ」
夜込「もしくは、普通高校から、大学は建築で」
名寄「そうなんですよ、普通、高専なんて考えないんですよ!!」
鷺沼「いやいや、何のための進路指導だよ。それこそ、学校の先生が、高専ってあるんだぜって教えるだろ」
夜込「まあね。なーくんの言いたいことは、解る。普通に、高校に進学するのならば、中学校でも蓄積があるからね。それに対して、圧倒的に情報の少ない高専。正直、高専行くやつは違ってるよね。具体的に言うと、親が金持ち。生意気にも家庭教師頼んでる」
鷺沼「君たち、高専行った同級生に何かされたの」
名寄「中学時代、本当のことを言って泣かしてやりました」
鷺沼「えっ、泣かされたんじゃなくて!?」
名寄「泣かしてやりましたぜ」
夜込「なーくん、やればできる子!!」
鷺沼「ま、まあ、本当のこと言われて泣いちゃうのは仕方ないか…」
名寄「なんか中学生って、いっぱいいっぱいですもんね。真実はいちばん心にグサッとくるものなのですよ」遠い目。
夜込「大丈夫だよ。なーくんのほうが、いっぱい傷付けられてきたんだから、一回くらい泣かせたからってどうってことないんだよ」
名寄、頷く。