夜込さんのヒールと、なーくん。

なーくんが夜込さんを見ている。
鷺沼「どうした、名寄。今更、鶫ちゃんに惚れたか。でも、残念だったな!! 鶫ちゃんには、天才数学者のオレという立派な将来の伴侶が確定しているからな!!」
なーくん、首を振る。
名寄「僕は、鷺沼先輩が数学に関しては天才であることも、鷺沼先輩が夜込先輩を愛していることも先刻承知しております。僕が言いたいことはですね」
なーくん、夜込さんの足元に目を遣る。
夜込「私は、スカート派☆」
鷺沼先輩「鶫ちゃんは、美脚だよね♪」
名寄「何やら、お会いする度に、ヒールが高くなっているような気がするのですが?」とノートを見せる。
夜込「え、うん」頷く。
鷺沼「ルイ何世だかが発明したから、ルイヒールというそうだ。世界史の豆知識な」
夜込「ウェッジソールのほうが安定感あって歩きやすいのだけれどね!!」
名寄「高くなってますよね?」とノートを見せる。
夜込「病院の中では高いヒール禁止なの。だから、院内実習中はどうしてもぺたんこ靴でしょう。でも、学会はやはり高いヒール靴はかなくては格好がつかないでしょう。つまりは、練習しているの!!」
名寄「それでは決して僕を現実よりも小さく感じるためにわざとしている訳ではないのですね!?」とノートを見せる。
鷺沼「名寄も小さい小さい言われるけど、鶫ちゃんと同じくらいだものな。身長」
以下、読了。