城さんとベレー帽。

前橋「城さん、今日、ベレー帽かぶってきたんだ。似合ってるね☆」
城「え、ベレー帽って誰にでも似合うものじゃあないのですか? だって、ちびっこの制服に採用されてますよ?」
高峰岸「それは、ちびっこだから似合うのだ。城よ」
菅沼「それじゃあ、城せんぱいはちびっこということですか?」
高峰岸「菅沼…」
前橋「やっぱり、お父さんが画家だから似合うのかなあ?」
城「いや、うちの父、日本画描く人ですけど」
菅沼「前橋教授。漫画家さんってなんでベレー帽をかぶっているのですか?」
前橋「僕、実際に、ベレー帽をかぶっている漫画家って手塚治虫しか知らないんだけど」
城「確か国語の教科書に手塚治虫先生の文章が載っていました。内容、一切、覚えてないけど」
高峰岸「ああ、そういえば、知り合いの子が、手塚治虫が亡くなった日に生まれたんだよな」
城「漫画家さんは、2パターンあって、雰囲気作りのために素敵なお洋服を着る派と、どうせ汚れるからどうでもいいような服を着る派とがいるのです」
菅沼「ああ、城せんぱいのお父さんは、『素敵なお洋服』派なんですね」
城「残念、『素敵な和服』派よ」
前橋「城さんは、お父さんにとってミューズだもんね☆ もう、個展に行くと城さんだらけだよ」
高峰岸「それ、楽しいの…?」
前橋「うん。城さんのお父さんにはこう見えてるのかあ☆ ってね」
高峰岸「……」
菅沼「僕も行ってみたいです。次、いつ、個展あります?」
城「えーっとね」