インタビューを聞く九原。

――今回、初めてBD&DVD化されることになった「兎のヒヨ」ですが、実は谷地さんにとってとても大切な意味を持つ作品なんですよね?
谷地:はい、そうなんです。
――そもそも谷地さんがデビュー作「秋空に手を伸ばす」に出演するきっかけになったのが「兎のヒヨ」なんです。確か、大学の映画研究会で制作されたものだとか。
谷地:たまたま「秋空」の監督さんの目にとまったようで。何も知らない素人の演技なので今思えばとても恥ずかしいのですけれど。
――それが玄人の映画関係者の間では、「幻の名作」とまで呼ばれています。今では、あまり映画に興味のない層にまで伝わっているほどです。
谷地:そう思うとなんだか感慨深いですね。
――主人公のヒヨとの共通点はありますか?
谷地:大好きな人をとことん愛し抜く姿勢です。時に、それは愚かしく映るかも知れません。だからこそ、尊く美しいのだと思います。ヒヨ自身は生まれることを、ヒヨの主人はヒヨが生まれてくることを強く望みます。
――確かに物語の冒頭では、ヒヨの存在が奇異に映ります。
谷地:確かに、ヒヨは不思議な存在です。でも、ヒヨや少年の想いはとても普遍的なものです。普段の生活では、異質なものを避けがちになります。それでも、ほんの少しの勇気を振り絞ったら見えてくるものがあるのだと思います。
――なるほど、現代を生き抜くヒントがこの映画にはありそうですね。
谷地:はい。幅広い世代の方に観ていただきたいです。



九原「あのさ、インタビューを部屋の片隅で聞いてたんだけど」
朝陽「うん。どうやった?」
九原「大学の映研で撮ったものをわざわざブルーレイで売りつけるのはいかがなものかと…」
朝陽「せやかて、みんな、見たがってるんやで? そら、売るしかないやろ!!」
九原「いやあ、うん…。そうなんだけどさ。本当にそれ、ブルーレイの必要あるのか? 大学生だぞ!? そもそもそんな綺麗な映像じゃねえだろ!?」
朝陽「こっちはでーぶいでーとぶるーれいの両方出してねんやぞ!? 好きなほう、買ったらええやないか!!」
九原「やだもう…。そんなの両方集めたくなっちゃうのがコレクターじゃないか…」
朝陽「集めたかったら集めたらええねん。そしたら、朝陽の懐も暖かくなるいうもんや」
九原「うん、そうだね…」