大学を視覚的に理解する。

昨日のことだ、数学の時間に大学の意味を唐突に理解する。
無限等比数列の極限を理解すると、マクロ経済学のことが解るんだよ〜、地方財政も関係するんだよ〜と。子供たちがよく「算数や数学なんて足し算とか掛け算くらいしか日常生活に使わないだろ」とのたまうものだが、少しでも「これを学ぶとあれが解るよ」と言ってくれれば、数学にも経済学にも興味を持てるというもの。
卒論というものはでかいジグソーパズルのようなものだと思う。
「医師になる」とか「弁護士になる」とかならば、その完成図ははっきりと見えているので、この科目もパズルを完成させるために必要なのだと思うからしっかり勉強する。一方、最近増えてきている学際系では花の絵なのか人物画なのかすら新入生には解らないでいる。
だから、とりあえず「この青っぽいところから完成させようか」となる。よく解りはしないけれど、緑っぽいところとか茶色っぽいところも少しずつ完成させていこうか。だんだん、学年が進んでいくと、「あれ?実はこの青いところと緑のところは隣り合っているのではないか?」と気づく。バラバラに見えていたものが、実は全て地続きなのだと理解し始める。
よく「学際系は中途半端な知識しかつかないから使えない」と言われるが、「僕は花の絵を描きたいから、赤いのとピンクのと…を勉強するよ」と目的意識さえ持てればこれほどいいことはない。まあ、でも、それは新入生には難しいことなので、とりあえずいろんな色(科目)を勉強しておけということになる。
僕は高校は理数科出身で、2年生のときに大学まで行って県内の理数科の生徒で発表しあう「課題研究」というものがある。いきなり「さあ、研究してください」と言われても、なかなかイメージがわかないものだ。なので、2年生は大学で発表する前に、校内で理数科1年生に発表する。2年生も発表の練習になるので大変お得である。
これと同じことを大学でもやればいいのになあと思う。大学1年生で卒論よりは簡単な論文を書かせるところはあるが、往々にして卒論を書かなければならないときには、論文の書き方をすっかり忘れてしまっている…。大学受験であんなに勉強したはずの知識をすっかり忘れてしまって愕然としているのに、たかだか数ヶ月書いただけの論文の書き方など覚えているはずがないのだ。